法律の中で我々の生活において身近なものとそうでないものがありますが、身近なものの一つとして公共の福祉と呼ばれるものがあります。
公共の福祉が憲法に書かれている内容ですが、いまひとつ何のことかわからない人も少ないはずです。
そこの公共の福祉を説明していくと、公共の福祉とは人と人の権利がぶつかる場合にそれぞれ制限を受けることを意味しています。
場合によっては片方だけ制限を受けることもありますが、そうでなく両方とも制限を受けるようなこともあります。
例えば電車の中で二人の乗客がいたとします。
片方は電車の中で静かに眠っていたいとするでしょう。
もう片方は、電車の中で携帯電話で話しをしたいとします。
この場合、片方の人は静かに眠っていても、もう片方の人は携帯電話で大きな声でしゃべっていれば片方の眠る権利を侵害してしまいます。
これに対して、眠る人の権利を優先すると電話をかける人の権利を侵害してしまいます。
実は我々には、それぞれどちらの権利もだれにも阻害されない自由があるはずです。
ただ、場所によっては権利と権利がぶつかり合うときに、どちらかの権利を守りどちらかの権利を制限しなければならないこともあり得ます。
電車で眠っている人の権利は保護されて、電車の中で携帯電話使い自由にしゃべる権利は制限されるのが一般的でしょう。
このように一人の権利を守るためにもう一人の権利を制限することを公共の福祉と呼んだりします。